ふもとより一足速く紅葉する石鎚山に
今年もまた登りました。
2008年は日本に一個の台風も上陸しなかったこともあり、山の紅葉は好条件に恵まれたのではないでしょうか。日帰りで登山可能な石鎚(いしづち)山も例年通り10月の上旬には県外からの登山客も含め大変な賑わいとなった。一般的な山頂の弥仙と呼ばれる岩場から見通せる範囲には、お弁当を開く時間帯になると、ざっと見渡しても1000人は下らない人だかりが見られた。思うように身動きが取れない有様となり、さすがは西日本一の高さを有する山だとの思いを改めて自覚するひと時でした。
この弥仙(みせん)といわれる岩場には霊峰石鎚山の神体を祭った頂上社があり4社ある石鎚神社の一つとなっています。また、頂上社と鎖で巻かれた岩を隔てて、食事ゃ宿泊の出来る頂上山荘がありますが、私が日帰り計画で訪れた12日にはコメツツジかドウダンツツジと思われる赤系のものが、ピークを過ぎてはいたがまだまだ見ごたえのある紅葉が天狗岳へと続いていた。この日は珍しく霧が発生しなかったので終始目前の天狗岳(1982m)の山頂もつぶさに見ることが出来た。
石鎚山に登る代表的なコースとして愛媛県側に成就社コース、高知県側に土小屋コースがあり、どちらも殆どの方が日帰りの予定でやってきます。私は高知県の登山者なので、もっぱら土小屋からの登山となります。石鎚山は先の尖った跳び箱か急勾配の屋根のようなデザインになっていて、例えば土小屋付近の東から見るとアルプスの槍ヶ岳を彷彿させるように見えますが、瓶が森方面の北から見ると横に長く台形のように見えます。ですから見る位置によって、あれっと驚くほど見え方が変わるのですが、この辺りも人気の要因になっているようです。
また、スリリングなものとして鎖があります。成就社側に一の鎖、土小屋コースと合流して直ぐに二の鎖、頂上直下に三の鎖があり、登山用と下山用のに数本設置されています。さらにスリルを味わいたい向きには上級者用として、土小屋コースの途中から東稜コースがありますが、山頂から様子を見る限りにおいては、初心者が一人で向かうコースではありません。私は東稜コースは勿論のこと鎖もパスさせてもらって、いつも整備された登山道を利用させて頂いております。
この日弥仙で昼食を済ませた私は天狗岳には向かわずに、山頂から少し降りて三の鎖の登り場辺りから西へと伸びる小道に入りました。石鎚連峰では天狗岳の次に高い二の森方面に寄り道することにしたのです。こちらは笹原の中にある横道を足元の小石に注意しながら歩くというトレッキングコースとなっています。
私としてはこの日初めての体験でしたが、振り返ると先ほどまでいた石鎚の山頂が今までに見たことの無いアングルで見ることが出来て楽しいものでした。西の冠岳の下を横切って峠のようなところまで来たところで引き返します。ここまで来ると前方には二の森が、そしてその先の方には堂ガ森が見えています。この峠からの紅葉は丁度ピークを向かえた様子でとても綺麗なので、三々五々数人のグループや夫婦連れの方たちも、この地点で満足して引き返していました。
三の鎖場が後もう少しの所まで引き返すと、突然ヘリコプターのけたたましい轟音が頭上に響きます。急ぎ足で分岐店近くまで戻るとヘリが救助に来た模様でした。聞く話では、どうやら鎖から落ちた人がいたようです。ヘリからレスキューの隊員がロープで頭上間近に降りてきます。映画のようなシーンに私は台風のような木の葉の舞い散る中、必死でカメラのしゃッターを切っていました。